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娘の緑子を連れて豊胸手術のために大阪から上京してきた姉の巻子を迎えるわたし。
その三日間に痛快に展開される身体と言葉の交錯!
文筆歌手を自称、シンガーソングライターとして活動しながら三年ほど前からブログで日記を発表、小説二作目で栄冠を射止めた。
初潮を迎える直前で無言を通す娘と豊胸手術を受けようと上京してきた母親、その妹である「わたし」が三ノ輪のアパートで過ごす三日間の物語。全編大阪弁が炸裂するが、文学的に見れば、樋口一葉ばりの息の長い文体が特徴。三人の登場人物の身体観と哲学的テーマが鮮やかに交錯し、魅惑を放つ。
第138回芥川賞受賞作。
川上未映子
1976年、大阪府生まれ。「夢みる機械」(2004年)「頭の中と世界の結婚」(2005年)などのアルバムをビクターエンタテインメントより発表。
2006年、随筆集『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』をヒヨコ舎より刊行。
2007年、初めての中篇小説「わたくし率イン歯ー、または世界」が第137回芥川賞候補となる。
同年、坪内逍遙大賞奨励賞を受賞。
2008年、「乳と卵」が第138回芥川賞を受賞