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私たち人間がやっている行動や、築いてきた社会・文明によって生じた物事は、ほとんど昆虫が先にやっている。狩猟採集、農業、牧畜、建築、そして戦争から奴隷制、共生まで、彼らはあらゆることを先取りしてきた。特に面白いのは繁殖行動。相手と出会うため、あの手この手を使い、贈り物、同性愛、貞操帯、子殺し、クローン増殖と何でもアリだ。どうしても下に見がちな私たちの思考を覆す、小さな生物のあっぱれな生き方を気鋭の研究者が大公開!
目次
第1章 どうしてこんなに多様なのか(昆虫の多様性;昆虫ってなに? ほか)
第2章 たくみな暮らし(収穫する;狩る ほか)
第3章 社会生活(社会生活を営む昆虫;狩猟採集のくらし ほか)
第4章 ヒトとの関わり(ヒトの作り出した昆虫;昆虫による感染症 ほか)
丸山宗利
1974年生まれ。博士(農学)。九州大学総合研究博物館助教。北海道大学大学院農学研究科博士課程を修了。国立科学博物館、フィールド自然史博物館(シカゴ)研究員を経て、2008年より現職。アリやシロアリと共生する昆虫の多様性解明が専門であり、アジアではその第一人者である。毎年精力的に国内外での昆虫調査を実施し、数々の新種を発見、多数の論文を発表している