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ドイツのあるモルト工場で発見された古い手記は、13世紀のあるビール醸造家が書き残したものだった。
貧しい農民の子ニクラスは、修道院では食べ物に困らないと聞き、修道士となりビール造りに励む。以来、ビール醸造技術の発展、材料の薬草研究に情熱を注ぎ、教皇も一目置く“ビールの魔術師”と呼ばれるまでになる。
だが、そんな彼に敵意を燃やし、執拗に命を狙う者が…。ビール造りに一生を捧げた男の波乱に満ちた人生とビールの歴史物語。
目次
第1部 ビール造りは女の仕事
第2部 修道院のビールあるいは「飲み物は断食破りにならず」
第3部 ビールの魔術師あるいは「都市の空気は喉を渇かす」
テメス,ギュンター
1963年、ドイツアイフェル地方のビットブルク市生まれ。
熟練のビール醸造家、研究熱心な醸造マイスター、作家。
ビール醸造のこととなると夢中になり、どこへでも足を運ぶ。
ビールの歴史を描いた“ビア・マーグス”シリーズを5冊と、様々なミステリー、旅行ガイドを書いている。
ブログや業界紙にビールについて多数執筆。
2010〜2016年には、いまでは造られなくなったタイプのビールを“Bierzauberei(ビールの魔術師)”ブランドで醸造し、国内外を旅しながら各地の醸造所を借りて同ブランドのビールを造る「移動醸造」の活動をしていた。
ドイツ語圏の推理作家協会である「シンジケート(Syndikat)」会員。妻と息子とともにウィーン近郊に在住