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ハードボイルド作家は考えた。
「一度は刑務所というものに入ってみたいものだ…」
かくして、ちょっとした交通違反の反則金をテッテイ的に踏み倒し続けた著者は、念願の押しかけ入所を果たしたのであった―。
入ってみてわかった、塀の中の不可思議なオドロキに満ちた実態とは?読めば読むほどしみじみと可笑しい、傑作ドキュメンタリー。
目次
第1章 入所までのすったもんだのいきさつ(違反事項―速度超過(時速30キロのところ48キロ)前回の挫折 ほか)
第2章 受刑者の道―どうせなるなら模範囚(地方検察局徴収係の冷えた麦茶;鍵の群れ ほか)
第3章 受刑者の日々(爽やかな目覚め;一日の始まりはオードリー・ヘプバーン ほか)
第4章 社会復帰へ向けて(出所準備;健康診断 ほか)
東直己
1956年、札幌生まれ。
北海道大学文学部哲学科中退。
’92年、札幌ススキノを舞台にした『探偵はバーにいる』(早川書房)で作家デビュー。
以降、このススキノ便利屋シリーズを発表し続け、気鋭のハードボイルド作家として注目を浴びる。
2001年には『残光』(角川春樹事務所)で第54回日本推理作家協会賞を受賞した。