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律儀で一徹な性格ゆえに会社勤めに嬢気がさしてモツ焼き屋を始めた兆治には、
かって好きあいながら結ばれなかった女がいた。
その彼女が、嫁ぎ先を家出して突然彼の店に現われる。
彼女に対する兆治の、いまだ消えやらぬそこはかとない思いをたて糸に、
東京郊外の広さ五坪の縄のれんに集う、
その土地に生まれ育った人々のさまざまな人間模様をあざやかに描く長編小説。
山口瞳
1926年、東京生まれ。小説家。
寿屋(現・サントリー)で広告制作にたずさわり、後に作家活動に入る。
1963年、「江分利満氏の優雅な生活」で直木賞受賞。
1979年、「血族」により菊池寛賞受賞。
『週刊新潮』の1963年12月2日号より始まった連載「男性自身」は1995年8月31日号まで31年9ヶ月、休載なく1614回続いた。1995年逝去