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本書は、トヨタ自動車の奥田碩会長が会う人ごとに一読を勧めたとして一躍有名になった。内容は、日本経済の危機的な状況と、それを打開するために政府が進める聖域なき構造改革の意味を寓話形式で描いたもの。この寓話の結末は刺激的だ。小泉純一郎首相を思わせる主人公のライオン王は、財政破綻寸前に追い込まれたネズミの国(日本)を救う最終手段として、民間資産の3割を国が吸い上げる財産税を導入。国は財政破綻を免れるが、個人と企業は大きな痛みを被る。
著者は、この痛みは恐れる必要はなく、次のチャンスへつなげるべきと主張している。気軽に読めて危機的な日本経済の実態がよく分かる。ただ、日本経済復活のための処方箋が書かれていないので、読後、暗い気持ちになる。
(日経ビジネス 2002/05/20 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
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山之内家の夕食の席に持ち込まれた謎の小冊子。そこには、不思議な寓話が書かれていたのです…。小泉純一郎、田中真紀子ら注目の政治家がライオン、ネコなどの動物になぞらえられて登場。日本政界の現状を風刺した寓話読み物。