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男が語る、背中が語る。
飾らぬ言葉で想いのすべてを綴る、珠玉のエッセイ集!
──人生って捨てたものじゃないな。
女主人のもてなしの心意気に魅かれ、パリで毎日通った裏町のお茶屋さん。
石垣島で偶然見かけ、拍手を送った運動会。
学生時代に有り金はたいてとびこんだ遊郭で、帰り際に指輪をくれた遊女の優しさ……。
異国の地で、ありふれた日常で、そしてスクリーンを通じて出会った人々や感動の数々。
健さんが飾らぬ言葉で想いのすべてを綴る珠玉のエッセイ集。
目次
プロローグ――北から届いた贈り物
一九九六 下田
パリの鉄観音茶
見送り
刀匠からの手紙
ひとすじの涙
布団の雪
無口な男
寒青
一九九七 箱根
語らなければいけないこと
トスカーナのパスタ打ち
雨の音
少年たちへ
父の涙
ダイアナ妃が残したもの
めぐり逢い
それが高倉健という男ではないのか
ある夜の桜
一九九八 高輪
願い
礼節
L.A.コンフィデンシャル
デ・ニーロが待った男
晩秋
感動
一九九九 石垣島
魚河岸のジャンパー
映画が始まる時
セピア色の映画館
心に鞭
都合により三日間……
さりげない別れ
南の島の運動会
ホタルになって
擦り切れた背表紙
二〇〇〇 洛北
うれしい手紙
免許皆伝!
「運動靴と赤い金魚」
「初恋のきた道」
赤いガラス玉
ハワイのベトナム人
生き仏 大阿闍梨さまと
健さんのこと 大阿闍梨 酒井雄哉
エピローグ――小さな港町
高倉健
(1931-2014)福岡県生れ。明治大学卒。1956(昭和31)年、映画デビュー。「網走番外地」シリーズをはじめ「八甲田山」「幸福の黄色いハンカチ」「南極物語」「ブラック・レイン」「ホタル」などに主演。1999(平成11)年、「鉄道員(ぽっぽや)」で第23回モントリオール世界映画祭主演男優賞、第44回アジア太平洋映画祭主演男優賞、第42回ブルーリボン賞主演男優賞、第23回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞。著書に『あなたに褒められたくて』(第13回日本文芸大賞エッセイ賞)、『南極のペンギン』がある。2014年11月10日永眠。享年83。
